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こちらは管理人【6-rik-】の運営するオリジナルイラスト展示ブログです。 (著作権は放棄していません。画像、文章など全ての無断転載・加工・模倣行為はご遠慮下さい。)
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2008年ラスト1日。

今年は本当に色々な事がありました。
楽しい事も嬉しい事も、つらい事も。

でもそんな中で、一番だったのは、
ブログというものを始めて、皆様に出会えた事です。

このネット上だけの関係ですが、私にとっては、それ以上のとても大切なものです。
こんな勝手な自由気ままな管理人なのに、コメントを下さる方、いつも見に来てくれている方、
すべての皆様に本当に感謝しております。

来年もしっかり頑張っていきますので、皆様どうぞ、宜しくお願い致します。

それでは、よいお年を。

                            2008.12.31  六
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「凍える蝶」


君と月夜の庭で』(りり様)の小説「凍える蝶」よりイメージした絵を描かせていただきました。
人の奥底にある、深い闇の怖さ、美しさをを感じるお話です。

 
「八千丸 幸哉」
 
「三嶽 漣司」(幼少期)
 



りり様。
いつも素晴らしい小説を、本当にありがとうございます。
そして、イメージをお借りして絵を描かせていただける事、とても感謝しております。

「我が名を呼べ、そして祈れ」

大好きな『君と月夜の庭で』のりり様より、以前描いた【Speichern Gnade Gottes】という絵に、
とても綺麗な小説を創っていただきました。

gottes.jpg

少年は光の領域の中に跪いていた。
夜更けの教会の内部は、多くの部分が漆黒の闇に覆われていた。正面祭壇の後方高くのバラ窓と側面の細長い高窓のステンドグラスを通した青みがかった五色の光が、少年の姿を儚い幻のように浮かび上がらせていた。
昼間であれば、この古い教会の誇る美しいステンドグラスが描き出した聖人の生涯を見ることが出来たであろう。そして、少年の顔が高窓に描かれた跪く聖告の 天使の顔によく似ていることにも気付いたかも知れない。しかし今、月の光が差し込む色硝子は色彩も曖昧に青ずんで、それらの像はあまりにも朧であった。そ して仮に全てが鮮やかに見えたとしても、白い顔を伏せて一心に祈る少年の気を引くことはなかったに違いない。
少年の項垂れた頭の遙か上で尖頭アーチを形作る高い天井は、装飾的な畝が複雑な模様を織りなしていた。少年の膝が着いている冷たい石の床には、月光が戯れに描き出したような光の中に、少年の影が細長く映し出されていた。
少年の後方で教会の扉が開く重々しい音が響いた。
少年は怯えたように、ハッと振り向いた。
背 の高い男が、こちらに向かって歩いてくる。黒ずくめの服装で、襟の高い黒いマントを身に纏い、フードをかぶっている。ブーツに包まれた長い脚が石造りの床 を歩くたびに、カツカツという音が反響した。マントのフードに半ば隠れた顔は、闇に沈んでよく見えないが、フードから零れた長い髪は夜のように黒かった。 近づいてくるしなやかな身のこなしで、若い男だということだけが分かった。
男は、少年から離れた位置で立ち止まった。
「こんな夜更けに、何故こんなところに一人で来た?」
石 造りの教会内に、男の声はよく響いた。その声を聞いた少年はぶるっと身震いをした。まるで突然鳴り出した教会の鐘の音に驚かされたかのように。それは美声 と言うよりむしろ、非常に印象的な声だった。微かなビブラートを含んだ、体のデリケートな部分を絹で擦られるような、聞いている者の心をざわめかせる声。
その声につり込まれるように、相手が見知らぬ男だと言うことを忘れて少年は答えた。
「夢を見たのです」
男は少年をじっと見つめた。白い夜着の上に薄手の上着を羽織っただけの少年は、ベッドから抜け出しその足で教会に来たのではないかと思われた。少年の清らかな顔は、淡く輝く金褐色の緩い巻き毛で縁取られ、青く大きな瞳は不安げに見開かれていた。
「どんな夢を?」
少年の顔に葛藤の色が浮かんだ。話すことをためらう気持ちと、全てを洗いざらい話してしまいたいという欲求との間で揺れているようだった。やがて、少年は語りだした。
「しばらく前に、僕は物置小屋の床板の下から、古い美しい箱を見つけました。入っていた手紙の宛名から、曾祖父の形見だと思います。その中に一枚の小さな肖像画が」
そこで言葉が闇に吸い込まれたように少年は押し黙った。その先を語ることを恐れるかのようだった。
「誰の肖像画だ」
「分 かりません。ただ、手紙の差出人が全て同じ人だったので、その人の絵ではないかと思います。…その絵が頭から離れないのです。こうして目を開けていても、 僕の目は心の中に映るその人の面影だけを見ているのです。僕はどうしてしまったんでしょう?僕が生まれるよりずっと昔に亡くなった、しかも男の人に、まる で」
「恋をしているように?」
男の声は風に揺れる柔絹のように少年の無垢な体をふわりと撫でていった。少年は未知の感覚に戸惑い怯え、身を震わせた。

「お前の名は?」
「レネ」
「楡屋敷の者だな」
レネは驚いたように目を瞠った。
「僕の家をご存じなのですか」
「あの見事な春楡の木には、よく登ったものだ」
男の声に懐かしむような色が混じった。
「それなら、その屋敷はうちではありません。家のシンボルツリーだった大きな楡の木は、曾祖父が亡くなる前に落雷で倒れたそうです。曾祖父は生前その木をとても愛していて、倒れた楡で自分の棺を作らせたと聞いています」
男はしばらくそれについて考えているようだった。そして言った。
「それで、お前は何故この教会に来た?」
「夢でその肖像の青年を見たのです。その夢の中で、この教会に呼ばれたような気がして」
「会いたいのか、その男に」
「はい。会えるものなら、一目だけでも」
レネの声には、夢で見た青年に恋い焦がれる熱い想いが隠しようもなく滲み出ていた。
「…僕はもっと前に生まれるべきでした」
「もしも時代を遡ってその男に会えるとしたら、お前はどうするつもりだ。その身体を投げ出すのか?自分の血と肉と魂を、その男に差し出すのか?」
「分かりません。でもきっと僕は、その人の求めには抗うことなどできないでしょう」
神の御前で背徳の言葉を口にしてしまったことで、レネは純血を失ったように感じ、涙を流した。
フードをかぶった男が一歩レネに近づいた。
「レネ。お前は何とユーリに似ているのだろう」
「ユーリとは誰です?僕の曾祖父もユーリという名だった。祖父がいつも僕のことを曾祖父に生き写しだと言っていた…あなたは誰ですか?」
名状しがたい怖れを感じて、レネは男を見つめた。
その時風が吹き込むはずのない教会の中に、強い風が巻き起こった。風は螺旋を描いて上昇しながら、男のフードを払った。
男の整った白皙の中で、凄艶な眼差しに紅く焔が灯った。その顔は紛れもなく、レネが恋い焦がれている肖像画の青年のものだった。
呆然と男を見つめて、レネは曾祖父にあてた手紙の差出人の名を唇にのぼらせた。
「ゴットフリート」
その時、ごうっという唸りと共に風が起こり、濡れ艶の黒髪を舞い上げた。男の身体はそれ自体が発火しているように紅く輝き、あたかも紅蓮の炎に包まれているように空気がちかちかと揺らめいた。
「我 が名を呼んではならない。お前の曾祖父と同じ過ちを繰り返すのか、レネ。私とユーリは幾度物置小屋で睦み合ったことだろう。幾度私は楡の木を伝って彼の閨 へ忍んでいったことだろう。血の接吻によって彼が衰弱するのに耐えられず、私がこの地を立ち去るまで逢瀬は続いた。私はユーリを同族にするより別れを選ん だのだ。レネ、我が名を呼び口づけを受け入れたなら、お前の心は生涯私に囚われることになるのだ。お前の曾祖父と同じように」
レネの体はむせかえるような官能に溺れるように、わななきながら男の腕の中に沈み込んだ。男はレネの首筋に口づけた。レネの唇から熱い吐息が漏れた。男が首筋に噛みつくように口を開いた時、鋭く尖った犬歯がキラリと光った。しかし男はそのまま口を離した。
そして自分の黒絹のマントをレネに着せかけた。重い絹のとろみのある肌触りがレネを包んだ。
「あと3年。お前がどうしても私を忘れることができないのなら、その時は我が名を呼べ。いつでもお前の祈りは私に届くだろう。その時はもう逃しはしない。私の接吻を受け、私のものになるがいい」
男は来たときと同じように長靴の音を響かせて、教会を立ち去った。重い扉が閉まる音が、教会の中に木霊した。
後に残された少年は、自分が決してあの青年を忘れないことを既に知っていた。3年の後、自分はきっとこの場所であの名を呼び、神ではない者に祈るだろう。
少年は唇をついて出てしまいそうなその名前を、心の中で何度もつぶやいた。


—完—


りり様、本当にありがとうございました。

お詫び。


只今、活動休止しております。            
年内は更新を控えるつもりです、本当にすみません。  

                   誡
 

「代筆」

 
昔の絵をチラリ…。
以前、一瞬(1ヶ月ほど)だけ開設していたHPで展示してた絵です。
なんか恥ずかしいので、こんな所にはさんでみたり。

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